魚野真美 詩舎 夜の目撃者

詩と、その周辺について。

2018-01-11から1日間の記事一覧

ねむり けむり

朝も眠るふゆの夜明け前 ちりちりと焦げる音で目が覚めるベッド脇に立てたお香は 灰のまま直立し 息絶えていた狭い部屋に充満した においとけむり 開かれることなく横たわる本 クローゼットで待つ スプリングコート 紙や服の繊維のなか ちいさくなって一緒に…