あるひとつのほうほう
このつめたいきもちから
距離を置くことができる
それはひとつのほうほう
あるひとつのほうほうで。
ずいぶん遠くまで来てる
そんなふうに思ったけど
凄く近いところにいた。
遠くにはいっていなかった。
楽しい気持ちのなかに
浸っていたかっただけで
何層にも包まれた芯は青白いまま
みずみずしいまま凍っていて
温度と節度を保ったまま
つめたさは変わっていなかった。
時間だけをエスカレーターの如く
眼の前にただ往来させては
流れ過ぎて行く人の中に
意味を見出そうとした。
術を見出そうとした。
このつめたいきもちから
距離を置くことができる
それはひとつのほうほう
あるひとつのほうほうで。