魚野真美 詩舎 夜の目撃者

詩と、その周辺について。

冬の森、街の動物。

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年末です。
やるべき事がしんしんと雪の如く、降り積もってゆく、冬です。


年が明けた冬は
明ける前の冬と全然違うとおもう。

光の角度はもちろん
土から立ちのぼるにおいとか
空気中の水の量とか
それによって朝日の光が遠くまで射したりする。

多分それは
太陽が少しずつ傾きをかえて
光の当たる時間によって
ちょっとずつちょっとずつ
土や空気があたたまってゆくからだろう
ほんの少しの違いでも
時間はすべて、知っている。

今年はすごく寒いのに
身体を包み込む寒さです。
何故だかすごく親しみを感じています。

冬至から後の冬は
もう、春の気配がするのです。
それは流石に早いよ、と言われるし、
実際とても寒いんだけど、
空の色や空気の密度や光が
紛れもなく、春なのです。


町にある森に棲む動物達。
羊の瞳をして、まどろんでる。
今も昔も動物は何も見たがらないから
どこにもゆかずに、あの森に棲んでる。
醒めた頭で森を歩いて
春が遠くで啼いている。
春が遠くで啼いている。